Hさんは、自分にも家を建てることができるのだろうか、と不安を感じている人たちに伝えたいと言う。「出来上がった家を見ると大変だと思うでしょう。私も最初は不安でした。誰でも初めは自信なんかないんです。まず、一歩を踏み出すことが大切なんです。たいてい、半歩進んだところでやめてしまう。とりあえず、まず一歩踏み出す。実際につくり始めてみるとやりがいも出てくるし、おもしろくなってくる。自分の手でつくる家だから愛着が出てくる。建築中は、さまざまな問題が起こるが、人間はせっぱ詰まった状況になればおのずから力がわいてきます」Hさんはそう確信しているのだ。いざ出来上がってみると、こんなに簡単だったのか、というのがHさんの率直な感想だった。「大切なのは体力と気力。途中で弱気になったり、他人に頼ろうとしてはだめです。何がなんでもやりとげる、と思えば案外簡単にできます」しかし、すべて自分だけでやらなくては、と深刻に考える必要はない。家づくりには、一人ではどうしても出来ない作業がある。人手が必要な時には、遠慮をしないで手伝いを頼むことが大切だ。「たとえば、壁起こしは一人では出来ません。男手が3、4人は必要です。私の場合も、知人に頼んで手伝いに来てもらいました。あの時はほんとうにありがたかった」作業のほとんどを家族で進める家づくりには、ある種の孤独感と不安感がつきまとう。そんな時の知人の応援は頼もしく、また何ものにも替えがたかったのだろう。
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