インテリアはオフホワイトと木肌を基調にしてまとめた。これは私のいつもの手法であり、またA夫妻の好みにも合致していたが、開口の少ないこの住宅の性格を考慮して、白がやや支配的になった。たとえば、木肌を生かすことが多い天井が壁と同じオフホワイトのクロス張りになったのもその1例である。この白の支配によって、必ずしも豊かではない外光が壁・天井に柔らかく反射しつつ奥まで流れ込むようになった。しかし、それが徹底してカーテンや椅子の張地まで白くなったのはA夫人のイニシアティブによるものだった。
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私はファブリック類には別の色彩を導入し、支配的な白がその効果的な背景となることを構想していたが、インテリアの色や素材を決める段階になると、A夫人はそれらまでを白を基調に選ばれたのだ。私には白ばかりでは単調になりすぎるのではないか、という懸念も少しあった。しかし結果は成功で、同じ系統のオフーホワイトがさまざまな材質の違いによってつくり出す微妙な陰影は、インテリアを柔らかい静謐さで満たしている。そこには住み手と設計者の感覚の葛藤もあったわけだが、結果としては、私も住み手の感覚が見事に生かされたことを喜び、祝福している。